本日は昨日の続き【妊婦と鍼灸その②】。
その①はこちら↓
【妊婦と鍼灸①】妊娠中の鍼灸って大丈夫なの?
私が妊娠中の鍼灸を勧める理由は
いくつかあるのですが
今日はある本を紹介しながらお伝えします。
衝撃を受けた言葉
その本とは
石野信安著 緑書房
『女性の一生と漢方』
この本を書かれた石野氏は産婦人科医です。
(石野先生については後ほど説明します)
私が専門学生だった頃の鍼の師匠は
石野先生の元でお産をされました。
当時の様子を聞き衝撃を受けました。
”石野先生はね
”三陰交のお灸をしていないとお産をさせないよ”
とよく仰っていたわね”
”石野先生は妊婦さんの三陰交に
お灸の跡があるかどうかチェックされていたのよ”
とおかしそうにお話をしてくれて、
石野先生の本を紹介してくれました。
私が専門学生の時ですから
今から約20年も前の会話ですが、
今でもはっきりと覚えており、
それ以来三陰交がどれだけ
妊婦さんや女性にとって大切なつぼか、
学び実践してまいりました。
漢方医学と鍼灸治療の先駆者
では石野信安先生って何者?のお話。
明治40年のお生まれの産婦人科医。
東洋医学の分野で多大な貢献をされた医師です。
日本東洋医学会の評議員や名誉会員を務め、
東洋鍼灸専門学校の校長も歴任されました。
東洋医学の基礎から臨床応用まで幅広く研究し、
漢方薬と鍼灸を組み合わせた総合的な治療法
を提唱しました。
個々の患者の体質や症状に合わせた
「オーダーメイドの治療」を重視し、
特に女性のライフサイクルに伴う様々な健康問題に対して、
漢方と鍼灸を組み合わせたアプローチを行いました。
そうこれは正に私が軸においていることなのです。
お一人お一人のライフステージに合わせた
オーダーメードの鍼灸治療です。
つまり石野先生は
漢方医学と鍼灸治療の先駆者
なのです。
妊婦さんと三陰交
”お灸をしていないとお産をさせないよ”
の言葉はエビデンスに基づくものでした。
安産のための重要なツボである
「三陰交」を活用したお灸療法
を世界で初めて報告されました。
また逆子(胎位異常)の治療における
鍼灸の有効性も示されました。
また妊娠中の下腿浮腫やだるさの軽減、
分娩時間の短縮、出血量の減少、
和痛分娩など、多くの効果を指摘しています。
このように膨大なデータの中で三陰交と妊婦さんの
関係を示されたんですよね。
専門学生だった私は石野先生が遺された功績に
深く敬意を表すとともに、
石野先生が提唱された
妊婦さんの鍼灸治療を引き継ぎ
日々の施術で活かしたい、
と思うようになりました。
40年前の体と今の体
本の初版は1984年。
今から41年も前のことですが、
令和の今読んでも全く問題ないどころか
一生バイブルとして持ち続けたい本です。
それだけ時代が変わっても
人(妊婦さん)の体は変わらない、
とも言えます。
今回は三陰交と妊婦さんに焦点をあてましたが
本の中では産後ケアや更年期や子どもの病気など
多岐にわたって女性のライフステーイごとに
鍼灸と漢方を絡めながら説明されています。
まとめ
以上長く熱く語ってしまいましたが、
妊婦さんこそご自身と赤ちゃんのために
鍼灸を一つの手段として選択してほしいと思います。
一緒に伴走していきますよ。
そして「女性の一生と漢方』は
是非一度読んでいただきたい本です。
本の感想やよくわからない点など
一緒に語りましょう!