私と鍼灸との出会い
私は中学高校の6年間バトントワリング部に所属していました。
全国大会や世界大会へ出場するためほぼ毎日練習をして、
1年を通してきちんとしたお休みは元日くらいでした。
人生の中で体が最も成長するであろう時期に、
ハードな練習を繰返していたため、
腰や膝や首などあちこちを痛めていましたが、
「スポ根」精神でだましだましバトンを握っていました。
そんなある時天井近くまで高くあげたバトンを取り損ねて、
右手の親指が本来曲がらない方向に曲がってしましました。
全国大会まで1ヵ月を切っていた頃です。
整形外科ではレントゲンで異常がないので湿布で対処し経過観察。
あとは痛み止めが処方されただけでした。
1週間経過しても改善どころか痛さもなくならないし、
腫れも引かないし、まともに右手が使えない状態でした。
再度整形外科に行くと痛み止めの注射を打つのみ。
痛み止めが切れるとまた激痛が走るの繰り返し。
大会までのリミットが近づき焦りと不安の中、
父から「鍼を打つか?」の一言。
私:「針?はり?え??」
怖さと不安と好奇心の中とにかく治るならと思い
父が通っていた鍼灸院へ行ったのが私の鍼灸との出会いです。
(14歳の冬でした)
はじめての鍼灸治療
鍼灸院へ着くと白髪の鍼灸の先生がいらっしゃいました。
仙人⁉︎と思ったのが第一印象でした(失礼)
ベッドに横になりドキドキしていると、
まず驚いたのは全身調整の時。
まだ触ってもいないのに私の歩き方や、
横になった姿勢を見て
「腰が相当悪いね」
「首を痛めているね」
と言われた事。
前記したようにハードな練習で万年腰痛でした。
首は13歳の頃交通事故に遭いむちうちになったことがありました。
私の心の声(なんで触ってもないのに分かるん??)
全身調整をした後ようやく痛めた親指に鍼を刺して、
そこに電流を流す治療(パルス治療)をしてくれました。
施術直後に指が曲がるようになった!!
”魔法だ!!”
と言ったのを覚えています。
心の声(やっぱり仙人だったのかも)
これが初めての鍼灸治療です。
それ以来腰痛や怪我はもちろん
生理痛や便秘など何かある事に、
鍼灸院へ通いましたが、
当時はお自分が鍼灸師になるとは思ってもみませんでした。
鍼灸師になろうと思った3つのきっかけ
- 鍼灸治療の効果と可能性に気付かされたこと
- 友人が鬱になったこと
- 父が倒れたこと
この3つが同じ年に同時に起こったのです。
❶鍼灸治療の効果と可能性に気付かされたこと
私は社会人になってからストレスからか肌はボロボロで、
それを隠すために厚化粧をしていました。
髪の毛もパサパサで当時の写真は今よりもずっと老けて見えます。
憧れていた関西での社会人生活がいつの間にか楽しくなくなって、
月経不順、不眠、便秘、吹き出物などのオンパレード。
ある時「もう無理!!」と糸がぷつっと切れたように、
半ば逃げるようにして実家に戻りました。
実家に戻り1ヶ月くらいは荷物が入った段ボールはそのままで、
開けることもできませんでした。
人に会うのも嫌でいわゆる「引きこもり」。
夜寝ようとすると咳混んで寝られず、
そのため朝は起きられない。
ふさぎ込んでいた私を見かねてか、
家族にまた鍼灸院へ連れて行かれました。
ベッドに横になり「そういえば鍼灸治療を受けるのは4年ぶりだなと」思いつつ涙が止まりませんでした。その後通院し体も心も元気になり鍼灸って素晴らしい!!と気付かされれました。
❷友人が鬱になったこと
「今は睡眠薬がないと全く眠れない。他にも薬を幾つか飲んでいる」
笑顔がかわいかった彼女が笑わなくなりそう話してくれました。
私は体験から鬱の症状が鍼灸で良くなることがわかっていましたが
「鍼灸院へいったらいいよ!」とは言えませんでした。
鍼灸について全く知らない人にたいして鍼灸の良さや効果を伝える手段が分からなかったからです。
しばらくすると友人は実家へもどり連絡が取れなくなりました。
辛そうな友人に何もできなかった悔しさを今でも覚えています。
❸父が倒れたこと
私が実家に戻ってしばらくして父か倒れました。
幸い大事にはいたらなかったのですがここでも何もできない自分に対してとても悔しい思いがありました。同時に初めて
”人のために何かをする人になりたい”
と思いました。
その後父は鍼灸院に定期的に通い、
生活習慣の改善(主に食事と運動)をして、
みるみるうちに快復して元気になりました。
以上お3つの出来事が同じ年に起こり、
これは”決められているんだ”
と本気で思いました。
元々鍼灸は大好きでしたから、
そのまま導かれるように鍼灸師を目指したのです。
想い
女性は月経からはじまり、妊娠、出産、産後、育児と続く生活の中で体も心も大きく変化をします。
一つの生命を育み支えていくのだからそれはとても素晴らしいことで同時に大変な事でもあると思います。
日々の中で「ツライ」「しんどい」「なんで??」「女性なんて嫌だ!」という気持で悩んだり苦しんだりしてずっとネガティブな感情に囚われて楽しめていなかったら悲しいと思っています。
私は自分自身が月経不順、未妊(不妊)、早産、流産を経験しそのたびに鍼とお灸に救われその効果を実感しています。
そして沢山の女性が鍼灸で元気になったりキラキラと輝いていったりするのを見てきました。
これらの経験から女性に鍼灸の良さと効果、可能性を伝えたい、広めたいと思っています。
ですが私は西洋医学を否定している訳ではありません。
私も沢山お世話になってきました。
西洋や東洋のどっちが上でどっちがより優れているということではなくその都度使い分けて平行していけばいいと思っています。
どれも手段の1つだからです。
私が出来ることは何か
女性と子どもが健やかに楽しく暮らせるように
お手伝いすること、伴走すること
最後に鍼灸師として私が伝えたいことは
・鍼とお灸は体の内側から整えて
人が本来持っている自然治癒力を高めることができる
・根本的に体質改善をすると
表面的でも一時的でもない真の美しさが手に入る
・気づいた「今」から始めればいい
・手をかけただけ体は変わる
・体が変われば心も変わる
鍼灸を最後の砦ではなく最初の一歩として選択して欲しい。
鍼灸の和が広がりますように。